恋愛短編小説 徳川蓮の場合

本当の自分


誠と別れた蓮はホテルへ入ると荷物をフロントへ預けてラウンジへ足を運んだ。



「あ、いた」


開放感のあるラウンジに蓮はすぐに淳也の存在を見つけた。


低いローソファーに気だるく座り電話をしながらタバコをふかす淳也。


誠にヘアスタイルを変えてもらった蓮は淳也に会うのが少し恥ずかしくなってきた。


行くのを戸惑っていると不意にこちらを向いた淳也と目が合ってしまった蓮。


一瞬、淳也は目を細めて蓮であることを確認し、電話を切って手招きをしているのが遠目でわかった。



「お待たせしました」


「遅い」


「ごめん」


手招きされて蓮はトボトボと淳也の前に行き、謝りながら向いのローソファーに腰掛けた。


「誠と会ってたのか?」


なんでわかったのかと蓮は驚いた。

  • しおりをはさむ
  • 4
  • 28
/ 119ページ
このページを編集する