キミは私の愛を摘む。【完】

02.交わらない想い合い。






◇◇◇







「―――じゃあ、離れて」

「本当に離れたかったら俺に噛みついてでも逃げるでしょ。それしないってことはみっちゃん、どういう事かまだ分かんない?」

「だからそんな事自分で言って恥ずかしくないの?」

「全然?」







ワザと私を挑発するその言葉のお返しに、雄飛の身体を力の限り押し退けてリビングへと戻る。

雄飛が負けじと何を決心したのか知らないけれど、だからって私の意志が変わるわけじゃない。






最初に私の元を離れたのは、彼だ。




―――プルルルル。

「あ、もしもし。いきなりごめんね。この前言ってたお見合いの話、なんだけど。あれ私受けるよ」

「……は?」

「……うん、そう返事しておいてくれる?…うん、じゃあまたね」






芸能界に入ろうとした理由を、昔聞いたことがある。

小さい頃はどんなに仲の良い女友達よりも雄飛と一緒に居る時間の方がはるかに多かったから、何の相談もなかったことが悔しかった。







「―――へぇ、目の前で大胆な事してくれんじゃん。美優」






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