キミは私の愛を摘む。【完】

03.キミは私の愛を摘む









◇◇◇




あの日以降、雄飛からの連絡はなかった。

年末も、年明けの挨拶でさえ一切のそれらがない代わりに、悠人さんとはこの上なく順調に事が進んでいた。









「綺麗ですね、本当」

「ここのレストランの夜景が綺麗だって同僚から聞いて、美優さんを連れてきたくて」

「……ありがとう、ございます」





きっと私は、この人とお付き合いするんだと思う。

お見合い相手として初めて会った日から随分と顔を合わせているけれど、彼の真面目さ故なのか未だに告白はない。

それでも何となく、分かってしまう。






この歳になると、自分の近い将来のビジョンがどういうモノになるのかって言う凡そのあらすじは分かってしまうものだから。



「あの、美優さん!」

雑誌でも見た事があるこのレストランで、最後のデザートを食べ終えた時。そろそろ出る頃かと思っていた私に、悠人さんは勇気を振り絞ったかの様に力を込めて言った。




「来週の土日、京都へ旅行に行きませんか?」っと。









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