ブラックベリー Ⅰ 【完】

Chapter 2 -第2章- /Number -ナンバー-




□ □ □



朝、駐輪場に銀髪の男が立っていた。

「……どうしたの?
風邪でも引いた?今日雪降るっけ?」


もうすぐ入学して1ヶ月になるけれど、始業前に浅黄が学校にいるところなど、初めて見た。

いやまあ、この男のすべてを把握してるわけじゃないけどさ。


「あぁ?何でそうなんだよ」


欠伸をかみ殺しながら、浅黄は眉間にしわを寄せる。

寄りかかっていた駐輪場の屋根の支柱から身体を起こし、どこかおぼつかない足取りで近づいてくる。

どうやらまだ半分寝てるらしい。



ふらふらと近寄ってきて、ちょっと身体をかがめて、唇にチュッと触れるだけのキスを落とした。


「っっ!!」


あまりにも自然な流れで、あまりにも唐突なそれに、うっかり身体が油断していた。

照れることも忘れて、呆然としてしまった。



っていうか、たぶん浅黄自身も寝ぼけた上での行動で、きっと意味はないような気がする。


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