ブラックベリー Ⅰ 【完】

Chapter 1 -第1章- /Melon Bakery -メロンパン-




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子守唄のような古文を聞きながら、ふと窓の外を眺める。


窓際のこの席には、春の日差しがぽかぽかと降り注ぎ、なんとも温い時間が過ぎる。


今日はまだ、あの銀髪を見てはいない。


もちろん今までだって、毎日見ていたわけではないけれど。


見つけたからどうというわけではない。


けれど、流石に昨日のインパクトが強烈過ぎて、気づくと銀髪を探してしまっている自分が嫌になる。


あれだけ目立つ存在だから、もしかしたらクラスの誰かに聞けば、銀髪の名前とか知っているかもしれないけれど、友達未満のろくに話したこともないクラスメイトの中から、彼を知る人を探し出してまで知りたいとも思わない。


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