ブラックベリー Ⅲ 【完】




耳元で囁いて、そっと腕の力を緩めてくれる浅黄。


この状況を―――

二人の時間を望んでくれたのであれば、嬉しいと思うけれど、

だからといって小学校時代からの友人を蹴り出してまで……と、ちょっと苦笑いも浮かぶ。



「柚芽」


小さく呟いた声とともに、身をかがめてきた浅黄に、あたしは当然のように瞼を閉じた。


程なく触れてきた柔らかい感触に、懐かしさを感じながら、

唇に触れてきた濡れたモノを受け入れるためほんの少し口を開ければ、

ソレもまた当然のように、口内に押し入ってきた。



すぐ横の扉からは、相変わらず悠斗の声と扉を叩く音がして、

そこに第三者がいると思うとこの行為に恥ずかしさを覚えるけれど、

止めるのが惜しい気がして―――

あたし自身、そう思うようになるとはびっくりだ。



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