キリニホウオウ ㊦ 【完】

キリニホウオウ /高瀬椛








ごそごそと動く気配を感じて、瞼を上げる。



さっきまで腕の中にいたはずの人が、そこにはいない。


慌てて視線を巡らせれば、今にもベッドから降りようとしている白い背中が目に入り。



「どこにいくの?」



白く細い腰に腕を回せば、俺が起きたことに気付いていなかったらしい椛が
「きゃっ」
と小さな悲鳴を上げた。



「ご、ご…ごめんなさい。
起こしちゃいましたか!?」



振り向いた椛の顔は、夜目にも分かるほど紅く染まっている。



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