花くれない【完】

第二章 /氷雨





玄関のドアの開く音がする。





廊下でトントンと小さな足音が鳴る。





視線の先にある廊下に続くドアがゆっくりと開くと、私は破顔した。









「おかえり、りお」








何も言わずに私を見つめると、トタトタと走りだし胸に飛び込んできた。



服の裾をギュッと掴む力の強さで、りおがどれだけ不安だったのかが想像できる。








「ごめんね、心配かけて。何もわからなくて不安だったよね」



まだ幼いからと、現状を何も話さずにきたけれど、察しの良いりおなら危ないことに巻き込まれたと薄々気づいているのだろう。



だから私の不安がりおに移ってる。









「熱下がってなさそうね。まあ、大人しく寝てるとは思ってなかったけど」



「...みやび」



「感動の再会をお邪魔して悪いけど、この子何も食べてないから作ってあげて。シェフの料理よりひよのご飯の方がいいみたい」





へっ、嘘でしょ!?





肩を掴みガバッとりおを引き剥がし目と目を合わせる。













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