花くれない【完】

第二章 /覚悟





あれから泉さんは、よく桐生家に来るようになった。



何でも、私に会わせないように蘭が出禁にしていたらしいみたいだけど、それを解除したんだって。






泉さんはやっぱりこの家に慣れていて、蘭と一緒に帰ってきたりもするけれど、そうじゃない時は勝手に玄関を開けて入ってくる。




最初は驚いたけど、今ではもう慣れっこだよ。


でも泉さん本人にはまだ馴れないんだよね。








「ひよりちゃん、今日のご飯なに?」


「わ!?びっくりした!」



気配に全く気づかず距離の近さに驚く。






「ごめんね、驚かせちゃって」


「泉さん悪いと思ってませんよね...」


「思ってるって~」




絶対思ってないな。だって顔が笑ってる。



最近では泉さんがエセ紳士なのだと分かり、話すことの半分以上は本心ではないと密かに思っている。







「ひよりちゃんさ~、いい加減"さん"付けるのやめない?蘭は呼び捨てなのに何で俺だけ?」


「親近感の違いです」


「言うようになったよね。でも俺に馴れてきたってことかな」





見当違いです。








「あ、そうだ、今日はお客さんが来るから夕食多めによろしくね」




お客さん?



今まで泉さん以外で人が来たことはないけど、私が会っても大丈夫なのかな?


















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