花くれない【完】

第一章 /日常






「りお、何食べたい?」


問いかけながら、つないだ手の先の色素が薄い少しくせっ毛な頭を見る。





「ん...おむらいす」


そう伏し目がちに答え、少しだけ私の手をきゅっと強く握りしめた。




これは りおが不安に思ってるときにでる仕草。

たぶん私に遠慮してるのだろう。


前まで私が何を食べたいか聞いても遠慮して答えなかったのに、最近は言ってくれるようになった。




でも、まだ自分の気持ちを言うのに躊躇ってしまうところがある。








「じゃあ、ひよりちゃん特製のふわとろオムライス作るね!それにりおの名前付き!」



「うん...うれしい」





これでどうだ!っと得意げに言う私に、りおが天使の微笑みをむける。












りおは同じ歳の男の子と比べて感情表現が苦手で、姉バカかもしれないけど りおが笑ってくれるなら何でもしてあげたい。


私にとってりおと過ごすこの時間が大切で、かけがえのない日常だから。











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