花くれない【完】

第三章 /聖夜










目下の悩みは蘭へのプレゼントのこと。

どんな物を選んだらいいのか本当に分からないんです。







「アルバイトはどうだったの?」




私が働くことに初めは浮かない顔をしていた雅だけど、自分で得たお金で誕生日を祝いたいと話したら納得してくれた。






「時間も期間も短かったから、こんなのが働いたって言える内に入るかは分からないけど...」


「嬉しかったんでしょ?顔が笑ってる」


「うん、嬉しかった」




きっと私みたいに好き好んで働く人なんて少なくて。


生きるために、遊ぶために、未来のために、仕方なくしている人もいるんだと思う。




だから私のしていることは、やっぱり甘えた行動なんだって痛感した。




あの家が嫌で離れた筈なのに、私は今も日下部の力で何不自由ない暮らしをしていて、その庇護のもと生きている。




痛感したからこそ、小さな一歩を踏み出せている気がして嬉しかったんだ。





















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