花くれない【完】

第三章 /白百合









一人、電車に揺られながら思い出に浸る。





クリスマスは朝からお買い物をして、ご馳走の準備をして、やっと帰ってきた蘭と白虎のみんなも一緒にパーティーをした。




時間をかけて沢山作った料理があっという間に無くなっていくのは見てておもしろかった。



お肉のオンパレードなメニューに綾は魚が食べたいと言ったけれど、その日だけは蘭の好きなもので埋め尽くしてあげた。






あんなにも賑やかなクリスマスは初めてだった。

みんなが笑ってた。










降りる駅のアナウンスが聞こえ現実に引き戻される。



一年に一度しか降りない駅なのに私の耳に馴染んだその駅名は、私の心を温かくする。




電車には乗らないし、乗るなと言われている。






けれどこの日だけは乗りたいと思ってしまう。


何度も乗り換えて、わざわざ各駅停車を選んで、時間をかけてその駅へ行く。




他の人から見れば無駄だと思われるような時間が、私には必要だから。























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