束縛~愛と欲望に溺れた兄~【完】

第3章 選択 /始まるいじめ~愛side~

最近、親友であり幼馴染である咲良の様子がどこかおかしい。

まるで、何かに怯えているような目で…。

私は、咲良の両親のことは親に聞かされていた。

その日がちょうど雨だった事も鮮明に覚えている。

だから、咲良は雨を嫌う。

この一週間、ずっと雨が続いて一日たりとも止んでいない気がする。

だから咲良はずっと元気がないのかと考えてはみたものの、実際本当のことは分からなかった。

分からないままもう三日が過ぎた。
三日目の放課後。

私は咲良と帰る予定だったのだが、クラスメイトの“小沢直美”に、「放課後残っておいて欲しいんだけど」と頼まれた。

小沢さんとはあまり話したことはなかったし、呼び出される理由は分からなかったが、とりあえず残ることにした。

「うん。わかった」

それから、私は先に咲良を先に帰らせることにした。

「ごめん咲良!今日は用事があって一緒に帰れないの」

私は深々と頭を下げた。本当に申し訳なくて、今咲良の傍にいなければならないのに…。

「いいよいいよ!今日は大助くんと帰ることにしようかな!」

なんて笑っていた。本当に大助のこととなると幸せそうな顔をするんだなぁ…。

私は安心しきっていた。

まだこれから起こる現実を知らないのだから。

「じゃあね」
「うん、バイバイ。また明日ね!」

私は咲良が教室を出た後、自分の席に座った。

最後に残っていた咲良が帰るのを待っていたかのように、私の元へ小沢さんがやってきた。

だけど、なぜか咲良以外全員いた。

ものすごく…嫌な予感がした。

「さぁ、本題に入りましょうか」

小沢さんの言葉に、無意識に身構えていた。

「私に話があるんでしょ」

小沢さんは不適な笑みを浮かべ言った。

「簡潔に言うわ。大野さんも一緒に三浦さんをいじめない?」

何をいってるの。咲良をいじめるって何?私も一緒にってまさかクラス全員で咲良をいじめるつもりなのか。

小沢さんはさらに続ける。

「駿河先生が言っていたの。三浦さんをいじめた人は内申点を上げてくれるって」

何それ…。意味わかんない…。
みんな内申点のために咲良をいじめるの?

沸々と腹の底から怒りがこみ上げてくる。

「小沢さんもみんなもおかしいと思わないの!?」

気が付けば叫んでいた。
怒りで握っていた拳が震える。

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