束縛~愛と欲望に溺れた兄~【完】

第4章 監禁 /玩具~咲良side~

「家…?」

気が付いたら自分の部屋に居た。

パジャマを着てベッドの上に居る。

…これは夢?

私の頭はどうやらおかしくなったらしい。
現実と夢の区別がつかなくなっていた。

どうせ分からないならさっきの出来事は夢でいい。

現実は私が今見ている景色。

「お腹すいた」

私は下へ降りることにした。

トントンと心地良いリズムを刻む。

あぁ、私の家だ。

お母さんとお父さんとの思い出の家。

ガチャリとドアを開ければ、朝日が部屋の中まで入り込んでいて眩しい。

そして、お兄ちゃんが朝食を作ってくれている…。

何故かホッとした。

いつも見ている光景なのに、まるで何かが変わったように思えた。

やっぱり私、あんな夢見たから頭がおかしくなっちゃったんだ。

それから朝食をとり、お兄ちゃんと他愛もない話をしながら学校へ向かった。

話している間もお兄ちゃんはいつも通りで、やっぱり夢だったんだと確信した。

だけどやっぱり、先生や、クラスメイトに会うのが怖い。

夢の中での先生はまるで獲物を仕留めた獣で、クラスメイトはまるでいじめを楽しんでいるような目をしていた。

でも、ここまで来たら行くしかない。

「行ってきます…」

私は小さな声で呟くように言う。

「行ってらっしゃい。気を付けてね」

お兄ちゃんは笑顔で手を振っていた。

それを背にして私は校舎内へと足を進めた。

ゆっくり、ゆっくりと階段を登っていく。
3階まではもうすぐだ。

まるで、何かのカウントダウンのような…そんな気がした。

「落ち着いて。大丈夫」

何度も自分に言い聞かせた。

「大丈夫。大丈……先生?」

階段を登り切った所に先生が居た。
腕を組んで立っている。

心なしか笑っているようにも見えた。

…きっと私の見間違いだろうけど。

「お、おはよう…ございます」

先生の前を通り過ぎようとした時、右の手首を掴まれた。

その瞬間、ビクッと身体が跳ねた。

「どこ行くんだ?」

先生の冷たい声。

怖い。まるで夢の中の先生みたい。
嘘だ。ただの夢でしょ?

私は否定した。
そんなわけ無い。

「き、教室に行くんです。だから離し…」
「へぇ。わざわざいじめられに行くんだ?」

0
  • しおりをはさむ
  • 26
  • 4
/ 87ページ
このページを編集する