愛されるその日まで1

  /過去

私が産まれた場所は他の人と変わらない病院だった…

でも

病院は病院でも、他とは違うところ。
もう既に使われていない廃病院だという事……


そこはある男を筆頭に複数の男たちで成り立っていた


後から思えばあそこは病院というよりも実験室に近かったと思う。


私は生まれてからずっと何かしらの実験をされていた
いわば実験体だった……


もちろん私を産んでくれた母親はいると思うけど
その母親の顔も名前も知らない。
もちろん父親も知らない


そもそも私自体が実験された人から産み落とされた人
初めから私の存在理由はなかった……


ただあるとすれば実験体ということだけ。


物心がつく頃には私の身体は実験のせいでボロボロだった……

身体のいたるところには手術の後。
腕にはいつも点滴が刺さっていた……

でもそのことについて疑問はなかった。
不思議でもなかった……
それが当たり前だったから


周りにいた数人の子供も同じだったし
それ以前に産まれた時からずっとだから…

実験のせいなのかは分からないけど
感情というものもなかった。


ただされるがままの人形……


周りの子供たちが
実験をされて泣き叫ぼうが血を流していようが



嫌だと……



助けてと……




何を言っても何も感じなかった。


見て通りすぎる……ただそれだけだった。


子供たちに


“お前は変だ” とか “気持ち悪い” とか


目をギラつかせて怒鳴られても何も思わなかったし感じなかった。


だって自分も他の子供たちも、そう言ってる子供も
みんな同じだった。


でも…
これだけはわかった


自分は男たちにとって嬉しいものなんだと…


だから他の子供たちよりも多く実験された


実験をされる度に男たちは


“成功だ!!”

“こいつは成功体だ!!”

“これは何をしても失敗しない!!!”

“素晴らしい実験体だ!!”


この言葉ばかり
男たちはこの言葉が口癖かのように叫んでいた……



実験体がいくら傷つこうが泣き叫ぼうか


お構い無しに自分たちの求めるものの為に
有無を問わない実験を繰り返す

実験が失敗した実験体はすぐに捨てられる。

そもそも実験失敗=死

これが当たり前だと思ってた。
だって生まれてからずっとそうだったから……







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