愛されるその日まで1

 

はぁ…やっと着いた。

バイク重い。腕痛い。疲れた。


コン コン ココン ココン

独特のリズムを刻んで扉をノックする。
敵と間違われないようにするために…


まぁこれやってるのあたしだけなんだけど

だってやってみたいじゃん?

ロマンがあるじゃん?

心を揺さぶられるよね!


数秒後ゆっくりと扉が開くと中から
これこそまさにザ・本職!!の方が出迎えてくれる

スキンヘッドに頭から目にかけて大きな傷
これを本職と呼ばないとなるとなんという!!


「麗!久しぶりだな!!」

笑顔 (傍から見れば極悪づらだが) で迎えてくれたこいつ
什造(ジュウゾウ) もちろん知り合いだ


「今日の裏口担当は什なんだな」

「おう!! お頭から今日、麗が来るって聞いてな?
組員総出でじゃんけんしたんだよ!!」


じゃんけん?なぜ…

「でな?俺が見事勝利して裏口で麗を一番最初に迎える得役を勝ち取ったってわけだ!!」


ドヤ顔で言われても。


「ごめんな什。こんなガキ、しかも小娘の出迎え役なんてつれぇよな…後で何か詫びを入れるな」

かわいそうに。じゃんけんなんかに勝っちまったから…


「は?違ぇよ!! みんな麗にいち早く会いたくて
いち早く会えるのがここの裏口の出迎え役なんだよ!!

だから周りから大人げねぇって言われようが俺はこの役を勝ち取れて嬉しいんだよ」


本当に嬉しそうに話す什


「そうだったのか。相変わらずもの好きなやつらだな」

「いいだろ。みんな麗の事好きなんだってことだろ?
俺も含めてな!」


好き…か。

あたしには到底もらえない…


言われる資格がない言葉…


1番もらったら……言われてはダメな言葉


「おいおい什。好きだなんて言葉はもっと大切なやつのために取っといておくもんだよ?こんなところで簡単に使わないほうがいいよ」


そういうと什は、なんとも言えない悲しい顔をしていた

ほら、やっぱり私にはこんな顔しかさせることができない。什には笑っていて欲しいのに…


「什?あたしは什の笑った顔が好き。笑って?
ほら、お頭のところまで案内頼むよ」


空気を変える為に什を促す








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