愛されるその日まで1

 

「麗…出ないのか?」

嫌々出ると

「ハロー☆れーい!!元気かぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

…うっせぇな!!思わず耳から携帯離したっつーの!!

声が右京にも聞こえたのか顔を顰めている。


「あれ?れ〜い…聞こえてる?さっきのじゃ聞こえてなかったのかな?」


おい待て待て待て待て待て!!ものすっごく息吸ってるよ!!

鼓膜が破れる!! 私の耳が命よりも早くお亡くなりになる!!


「うっせぇよ…そんな大声出さなくても聞こえてる。」

「あ!やっと出た!!もーれい遅いよー」

電話越しでも分かるほどブーたれてやがる

自然と声のトーンが下がり口調も男に…

「で?こんな真夜中に何の用だよ。達」

そう。達 もとい達央(タツオミ)は私が通っている三ヶ峯学園の理事長だ。

「ん?わかってるでしょ〜今日から3日間テストだよ♪」

いや、もうすぐテストだろうな〜とは薄々思ってけど

けども!! まさの今日から…

「なんで当日に言うんだよ…前もって連絡寄越せよ」

「気づいたら今日だった☆てへっ」

「.......」


キモイ…しかも “てへっ” 付き。おっさんが…

「はぁ…理事長室に行く。」

いつもテストは理事長室で受けている私。

わざわざ教室で受けるのめんどくさい。

廊下を歩いてるだけであの視線。

教室に入ったらもっとに違いない。鬱陶しい。なのに…


「あ、今回はちゃんと教室で受けてね?」

爆弾を落とされた。

「なんか毎回、麗が1位取るから僕が答え教えてるんじゃないか。って疑惑が上がって来てるんだよね〜」

「で?」

「だから理事長がそんな面だったらダメだろ?だから教室で♪」

音符なんてつけてる場合じゃねぇよ。最悪だ。
そもそも理事長の前でカンニングとか出来ると思ってんの?

無理だろうが!!!



「てなことだからよろしく〜」

あたしが1人心の中で叫んでると爆弾を落とすだけ落として切りやがった…

「どした?つーか今の迷惑電話、誰?」

「噂の理事長です。今日からテストだってよ…」

一旦家に帰らないと。

「え…お前、勉強とか大丈夫なのかよ…」

普通の人なら大丈夫じゃないだろうけど

私は普通じゃないからな…

ドン引きしている右京…

そりゃそうだ。こんな真夜中に電話…しかも内容がテストってくりゃねぇ…

「取り敢えず今日は帰るわ。お粥あんがとな…」

「お、おぅ…気をつけて帰れよ。あとテストも頑張れよ」

はじめこそドン引きしていたがあたしが帰ると言うと

いつもの右京に戻り頭を軽くあたしの肩を叩いて見送る。

予備で置いてあるパーカーを着て店を後にした

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