溜め息 第一部【完】

第三章 /溜め息六







時間が解決してくれるなんて言葉があるけれど、それは真っ赤な嘘だ。





「あ…あん…激しっ…郁…好き…。」

「……うるさい、静かにして。」




静かな保健室に響く発情した甲高い声。

僕が一番求めている彼女の声とは似ても似つかない。



律動が激しくなるに連れて大きくなるそれに、顔を顰めてその口許を手で塞ぐ。

そして白濁の欲望を吐き出した僕は今日も思う。



全然満たされない。



心も、身体も、どれだけセックスしようと空っぽのままだ。



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