溜め息 第一部【完】

第三章 /溜め息八







僕に身体を摺り寄せた彼女と僕の視線が重なる。



「郁が他の女の子を抱いているのも嫌だった。私以外見て欲しくないって思ってた。郁と一番一緒にいるのは私だって何度も言い聞かせたけどやっぱり悔しくて羨ましくて仕方なかった。」



次から次へと彼女の口から落とされるのは、嫉妬とも取れる可愛い言葉達。




「分かってるの。自分から郁を拒否した私がこんな事思う権利ないって……だけど、どうしようもなかった。苦しかった。私が好きな郁を誰にも盗られたくなかった。」




ああもう、何処まで可愛い人なんだろう。


そうやってまた深くて甘い蜜の中に僕は突き落とされる。




「郁が好き。郁…んん……。」



泣きじゃくりながら、僕への想いを漏らしていく彼女の姿に限界を迎えた僕は、彼女の熟れた林檎のような紅い唇を口付けで塞いでいた。






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