Dummy HoneyⅡ

Dummy Honey Ⅲ /*Y








私と剣で研いだお米が入った飯盒。





「火ってどうやって起こすんだ?マッチを投げんのか?」

「マッチ一本火事の元って言葉、聞いた事ないのあんた。」






神妙な面持ちで「それじゃあ息を吹きかけるとか?」そう漏らす恋人は、とてもよく存じてたけどやはり常識知らずらしい。


息を吹きかけるだけで火を起こせるとかどんなファンタジーだよ。ゴジラかお前。






「ほれ、これが火種でこれを薪に移して炎を大きくするんだよ。」

「すげぇ。真白お前……魔法使いなのか?シンデレラにカボチャの馬車を贈呈した小太りの伯母さんだろ。」

「え、私はシンデレラですけど何か。」

「どちらかと言うとアナスタシアだろ。」

「それ義理の意地悪な姉じゃねぇか。ていうか随分詳しいな。」





順調に炊かれるお米を眺めながら、ベンチに腰掛けた私と相手の肩が密着している。


この男の体温は、いつも酷く温かい。






「剣の体温、私好き。」

「き、急に可愛い事言うなよ。」

「私いつも可愛いじゃん。」

「………。」

「無言やめろハッ倒すぞ。」

「くくくっ、やっぱり真白は面白くて最高な女だな。」




こちらの顔を見つめて、優しく目を細めて笑う剣がそっと私の頬にかかった髪を払った。






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