Dummy HoneyⅡ

Dummy Honey Ⅳ /*F








街燈どころか、月明かりさえない闇の中。





「し、死んだかと思った。」





私の声が、生い茂っている木々に吸い込まれる。

何という事でしょう、生命力しかない私は咄嗟に受け身を取ったおかげで命拾いした。



暗順応で徐々に明瞭になってきた視界。

目の前には、どう考えても落ちたら死ぬとしか思えない崖が存在感を放っている。



まぁ、夢月王子に比べたらこいつの存在感なんて星屑みたいなもんだけど。





「もしかしなくても私の生命力ってゴキブリもを凌ぐんじゃ……。」




改めて、こんな崖を無事に落下して生きている己の魂の強さに吃驚してしまう。



普通の可愛いヒロインって、こういう時に麗しの彼氏に護って貰うんじゃなかったっけ。

私の人生そうなる予定しかなかったんですけど???




肝心の彼氏はおろか、飛鳥もいないのに自力で生き長らえちまったよ。


可愛く気絶くらいしといた方が良かった?その方がか弱い美少女を演出できたくねぇ???





「まぁ、夢月もいないから可愛い子ぶる必要はねぇか。」




迷走状態になっていた脳みそが下した決断は、とてもとても正論だった。


どうやらこの状況でも私は混乱する可愛さすら持ち合わせていないらしい。今、めっちゃ冷静に思考を巡らせてたわ。



強すぎワロタ。




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