Dummy HoneyⅡ

Dummy Honey Ⅳ /*R









「平気って言わないで。大丈夫って無理に笑わないで!!!俺達の前では素直な真白でいて!!!!」

「……っっ……。」




嗚呼、飛鳥が怒ってる。

こんなにも剣幕しているのに…私に触れる手は、酷く、酷く、優しさに満ちている。





「……さい。………ごめんなさいっっ。」




目薬を差したわけでもないのに、目の前がたちまち滲んで、歪んで、頬に落ちる熱い雫。


俯いて両手で顔を覆った私の肩に掛けられたパーカーからは、飛鳥の香りがした。





「あーあ、飛鳥だけ抜け駆けするとか狡くない?」

「本当よ、私達は真白から言ってくれるのを待ってたってのに。」




濡れた私の髪を優しく拭くタオルからは、道梨の香り。

冷え切った全身を容易に包んだブランケットからは、宵の香り。



咄嗟に顔を上げた私の涙で混濁した視界には、三人の笑顔が映り込んだ。





「真白、もう良いのよ強がらなくて。私がいなくて心細かったわよね?」

「僕とBLを夜通し語るならまだしも、こんな廃校で過ごすなんて怖かったに決まってるでしょ。」

「不安にさせてごめんね、真白を不安にさせちゃった。」



やめてよ…。


やめてよもう、そんなに優しい言葉を私に与えないでよ。





「うぅ…グスっ……心細かったよ!怖かった!死ぬほど不安だった!でも信じてたよ!皆が来てくれるってちゃんと…ちゃんと分かってたから!!!!」




せっかく心配をかけまいと繕ってたのに、あんた達のせいで仮面が壊れちゃったじゃんか。




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