Dummy HoneyⅡ

Dummmy Honey Ⅴ /*Y










「39.0℃…まだ全然熱が高いね。苦しいよね?替わってやれたら良いのに。」





住み慣れた自室のベッド横。


計測を終えた体温計の画面に視線を落として、綺麗な顔を顰めた彼が私の額に手を当てた。




こんなにも高い熱は久しぶりだ。


その原因はどうやら大雨に打たれ秋の深い森で遭難しただけではなかったらしく、林間合宿を途中離脱し紫陽花財閥のヘリで病院へ搬送された私は医者に言われた。




「何処か高い所から転落しましたか?見事に骨が折れて炎症を起こしているのでそこからの発熱も疑われます。」

「………。」



身に覚えしかなかった。



更に担当してくれた医師はこうも言った。





「良く生きてましたね、考えられない。到底人間とは思えない。」

「おいこら、それは言い過ぎだな先生。」




点滴を打たれている私に、レントゲン写真の結果を説明する傍ら、まるで妖怪を見るような目を向けていたあの医者の表情は二度と忘れてやらない。


人間とは思えないって何だ、私はお姫様だぞ失敬な。





そうして遭難中は一瞬無謀とすら思えた帰宅を果たした私は、絶賛麗しい幼馴染からの手厚い看病を受けている。






0
  • しおりをはさむ
  • 330
  • 3971
/ 244ページ
このページを編集する