林檎ちゃんの、メランコリー【完】

メランコリー 4 /Karte XII








外見から与える印象がすこぶる悪い彼の姿に、教室中の視線が向けられる。



そりゃあそうだよね。学校指定のネクタイすら締めていないし、第二ぼたんまで開け放たれている。



一応そこそこ真面目な進学校として名の通っているこの学校では、彼のような存在は特段浮いて見えてしまう。






「柘榴君!こんにちは!」





しかし彼の人となりを知っている私の目には、相手が良い子にしか映らない。


自らに突き刺さる視線なんて露程にも気にしていない様子で、こちらに手を振る柘榴君に私も手を振り返した。




次の授業の教科書を机に準備して、入り口の方で待っている彼の元に駆け寄ろうとした刹那、死角から現れた手にあっさり腕を掴まれた。





「ちょっと林檎。」

「あれ?のんちゃんどうしたの?」

「どうしたのじゃないよ、あの子一つ下の柘榴君でしょ。」

「凄いのんちゃん、柘榴君の事知ってるの!?」

「当たり前じゃん、中学校も同じだったしそれ以前に超目立ってるもんあの子。」

「確かに見た目派手だよねぇ。」




授業をサボって屋上で煙草とか吸ってそうな雰囲気を纏っている柘榴君。


私がのほほんと笑っているのに対し、のんちゃんは険しい表情を崩さなかった。





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