林檎ちゃんの、メランコリー【完】

メランコリー 5 /Karte XV













中学一年生の入学式。



突然変態的で悪質なメッセージが届いて以降、私の毎日は憂鬱から始まるようになった。


それを凌ぐ憂鬱なんてないだろうと思っていたけれど、まさに現在、私は強大な憂鬱に心身を占領されている。




さっき李お兄ちゃんの言っていた通り、この憂鬱に冒されてもう六日が経ってしまった。


明日は夏休み前最後の学校の日。終業式だ。




皆さんご存知のあの日から、芽維君と登校する事も、お昼休みを共にする事も、一緒に帰路につく事もなくなってしまった。

もっと言ってしまえば、芽維君の姿さえ一度も見ていない。




だけど彼は学校の有名人で、飛び抜けているその容姿故、芽維君の噂は嫌でも耳に入って来た。




「蜜柑君が一年生の半数以上の女の子から告白されたらしい」だとか「この間の一年生のバスケ大会で芽維君が得点王に輝き注目を攫ったらしい」だとか。


兎に角様々な噂を耳にする度に、ついこの間までは私にべったりくっついてくれたのに…なんて、我儘で意地悪な事を思ってしまった。




それから補足をするならば、残念ながら芽維君に拒絶された日以降もあの悪質なメッセージは決して途絶えなかった。


それはつまり、このメッセージを送りつけている犯人が芽維君でない事を示唆していて、何故か酷く残念に思い肩を落とした。





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