林檎ちゃんの、メランコリー【完】

蜜柑芽維の憂鬱 /Karte III




幼い頃は弱虫で甘えたな子供を演じるだけで、林檎ちゃんの心を繋ぎ止められていたけれど、大きくなるとそうはいかない。


彼女を永遠に僕の物にする為に、僕にはしなくてはけない事が山積みだった。




「あの…もう訊くのも怖いけど、芽維君って一体いつから私の事を監視していたの?」




やや顔面を蒼白させた林檎ちゃんが、ぎゅっと僕の服を遠慮がちに掴んだ。



怖い癖に、無意識に僕に縋っている。

その幸福かつ理想としていた現実に、鼓動が高鳴っていく。




「監視なんてしてないよ。」

「……へ?」

「僕はただ、愛しい人を見守っていただけだもの。」

「なっ!?!?それが監視って言うんだよ!!!!」

「違うよ、一種の愛情表現だもん。」

「だとしたら狂ってるよ!!!!」



そんな狂っている僕の腕の中に、自ら囚われたのは林檎ちゃんだよ?


残念だけど、ここからはもう永遠に出られないから覚悟してね。




「警察に依頼しても監視カメラなんて見つからなかったのに、どんな手段で見ていたの?」

「ああ、それは簡単だよ。林檎ちゃんのママが警察が来た時だけ、監視カメラを撤去してくれてたの。」

「………。」

「林檎ちゃん?」

「ぇええええええ!?!?ママも共犯者だったの!?!?」




目を見開いて驚愕に満ちた表情を浮かべた林檎ちゃんは、どうやら漸く僕がアメリカでも彼女を見守れていたカラクリに気づいたらしい。




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