林檎ちゃんの、メランコリー【完】

蜜柑芽維の憂鬱 /Karte IV









林檎ちゃんと結婚できますように。


林檎ちゃんが僕に恋してくれますように。


林檎ちゃんの愛を独占できますように。




胸中にある彼女へのありったけの想いを掻き集めて、向日葵の花に詰め込んだ。





「林檎ちゃんのほっぺ、林檎色になってるよ。」




回答を貰ったはずの彼女は、口を閉ざしたまま赤面して長い睫毛をただただ瞬かせている。


クスリと小さく笑い声を漏らしながら、相手の頬をそっと撫でれば、僕と同じくらいそこは熱を孕んでいた。





「やっぱり芽維君は狡いよ。」

「どうして?」

「だって……だって……。」




紅潮した可愛い顔が、恥じらいを隠すようにして僕の胸に埋められる。

アメリカへ経つ時はまだ彼女の方が背も高かったけれど、今では僕の腕の中にすっぽりと収まってしまう。





「だって、そんな素敵な事言われたら。」


“もっともっと、芽維君を好きになっちゃうもん”





胸元紡がれた林檎ちゃんの甘い一言に、心も身体も溶けてしまいそうだった。




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