林檎ちゃんの、メランコリー【完】

メランコリー 3 /Karte VIII






淡い月明かりに照らされた芽維君は、それはそれは綺麗だ。


ブロンドヘアはいっそうキラキラと輝きを放っていて幻想的だし。


光の入る角度によって色の変わる瞳は、朝はグレイに見えたのに今はエメラルドのように深い碧色に煌めいている。





「はい、確保。」




しかしながら、次に私の耳を突いたのは意地悪な声だった。


それから間もなくして慈愛に満ちていた表情は一変、悪戯に口角を吊り上げた悪魔が再来。




「ちょっ…やだ芽維君離して。」

「えーどうしよっかな。」




身体を捩ってみるもまるで効果なし。


私をぎゅうぎゅうに抱き締めながらクスクスと笑い声を漏らす彼は、「林檎ちゃんがキスしてくれたら離してあげる」と破廉恥極まりない要求をしてきた。




「これはれっきとしたセクハラだよ?」

「違うよ、僕と林檎ちゃんは相思相愛なの忘れちゃったの?合意の上での触れ合いはセクハラじゃないんだよ。」




ただの幼馴染という関係を忘れているのはそっちの方だよ!!!


それに合意した覚えなんてない。全然ない。


それから、あんなに我が家では好青年だった彼は何処に消えたの!?!?


















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