極道恋人【完】

肆 /台風一過



後ろのほうで茜が周りの人に、「すみません、すみません。」と頭を下げているのが何となくわかったけど…。


今の私はピアスに夢中でそんなこと考えてられなかった。


けど、夢中になって店を飛び出したのはいいけど…。



「あー…。」


さっきまでここにいたあの真っ黒い高級車は、もう姿さえ確認することも出来なかった。




私はあまりにも突然の出来事に、ただただ脱力してそこに立ちすくむことしか出来なかった。




「ちょっと…小雪!」


すると、私が放ってきた荷物を抱えた茜が店から出て来た。

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