極道恋人【完】



私は天野さんのその一言がすごく心に響いた。


天野さんの背中に回していた手に力を入れた。


















「…小雪。」


天野さんはそう言うと、そっと私の肩を持って離した。


「…っ?」



いきなりのことに私は顔をあげて天野さんの顔を見上げた。




すると、天野さんは笑顔を見せた。








あ…




私が一番好きな顔。








天野さんは私の目をじっと見て、口を開いた。



















「小雪…俺の女にならへん?」




















「…はいっ!」




私は返事をして思いっきり天野さんに抱き着いた。

天野さんも私を優しく受け止めて抱きしめてくれた。















パチパチパチ…!





へ?




その瞬間私たちの周りから拍手の音が聞こえた。




「若ーっ!」

「若頭っ!おめでとうございやすっ!!」

「小雪っ!おめでとっ!」

「姐さぁーん!若ぁー!」

「小雪ちゃん!よく頑張ったね!」


拍手と共にたくさんの祝福の声が聞こえた。







茜…


店長さん…


紫苑くん…


怖いお兄様方…






皆…っ














てか、恥ずかしいわっ!!




「ちょ…ちょちょちょ。」

「ん?なんや、小雪?」

「…無理、恥ずかしくて顔あげらんない。」

「今更?」

「だってっ!夢中だったんだもん!」

「ふーん…。せやけど、皆俺らのこと祝ってくれてんのに何にも言わんの悪ない?」

「…う。」

「あ!ええこと思いついた。」

「え?」

「小雪、顔あげろ。」

「は?」




私が顔をあげると天野さんは左手をあげた。


そして、皆のほうを見てこう言った。





「お前らっ!見とけやっ!」



…は?
















…ちゅっ


















…こうして私の物語は一旦幕を閉じる。





ただの貧乏な女子大生が


極道の若頭と出会ったお話。




夢のようなお話。




だけど夢じゃないと言えることがひとつある。






¨天野さん…¨

¨あぁ?¨

¨大好きっ!¨






━完━

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