極道恋人Ⅱ【完】

壱 /邪魔者と不安


その時だった。





ピリリリリ…






「…。」

「…。」



國光が脱ぎ捨てたジャケットの中から携帯の着信音が鳴り響いた。

私たちはお互いを見つめ合ったまま無言で固まっていた。


國光なんてネクタイに手をかけたまんま固まっている。



…さっきはこの姿を見てカッコイイなんて見とれてしまったけど、こう中途半端な形で止まっている今の姿はなんともマヌケに見えて仕方ない。






ピリリリリ…







そんな私たちをよそに携帯は着信音を鳴り響かせている。


二度目の呼び出し音。




「…クソがっ。」


ボスっ!



「…っ!!」




國光は携帯のほうを見て舌打ちをしながらベッドを殴り付けた。


私はいつの間にヤクザ國光になっていた國光を見てビクッと体を揺らし驚いた。



ちょ…ちょっといきなりチェンジしないでよ。

心臓に悪いってば!





「…チッ。」



國光は舌打ちをすると私の上からどいてジャケットに手を伸ばし、携帯を取り出した。




ピッ



「…はい。」



そして低いあからさまに不機嫌な声で電話に出た。

0
  • しおりをはさむ
  • 1285
  • 404
/ 444ページ
このページを編集する