涙のあと 上 修正中

第1章

ーー昼前に北城さんに攫われた筈が、帰宅する頃には星空が見えていた。
晩ご飯を食べて、車で送ってもらった場所は見たことのない二階建ての古びたアパートだ。


「・・・ここは?」


あぁー嫌な予感しかしない。北城さんの住んでるアパートと、言われても困るんだけど・・・ね。


「これからここに千尋が住むんだよ。」


あぁ、やっぱり。嫌な予感程当たるから。


北城さんは、腕をむんずと掴むと、嫌がる私を連れ、二階の角にある部屋の前まで連れてきた。


「ここが千尋の部屋だよ。」


持っていた、この部屋の鍵を私に渡す。


「荷物は、ある程度運び込んでいるから。後、足りないものやなんかは、追い追い買えばいいから。」

「・・・決定事項?」

「そうだよ。」


よく出来ました。と、頭を撫でられる。
手を振り払おうと思ったのに、思いの他気持ち良かったので、そのままにした。

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