涙のあと 上 修正中

第4章

その後も恋話で盛り上がった。
響さんとの事も根掘り葉掘り聞かれて、顔を真っ赤にしながら何とか話した。
運動会の話になり、私は障害物競走に出る事になってると、教えてくれた。運動会は再来週の土曜日。
出られる事が嬉しかった。


「それでね。」


玲が改めて向き直る。


「本当は、一番最初に話す内容なんだけど忘れてたんだ。このまま、忘れたままで居ようかと思ったけど、やっぱり話さなきゃって思ったの。」


難しい言い回しをする玲。つまり忘れた振りして言わないで置こうと思ったけど、話すことにしたって事だよね?


「私ね、私の所為で千尋が酷い目に遭ったって聞いて、それを千尋が仕掛けたって聞いて、悲しかった。辛かった。そして、腹が立ったの、千尋にも自分にも。」


今にも泣き出しそうに、涙を溜める玲。


「自分を責めた。千尋を責めた。変な噂は流れるし、ずっと遣り切れなかった。だって、私の所為でって思ったから・・・類がね。文句言ってやるって、自分勝手に動いてどれだけ周りが迷惑被ってるか、私が傷付いてるか、代わりに言ってやるって言ってくれたの。」


病院に来た先輩を思い浮かべる。どす黒いオーラを出して私を見た、あの目を思い浮かべる。


「戻って来た類がなんて言ったか分かる?」


くすくすと、いきなり笑い出す玲に、私は小首を傾げてみせた。


「馬鹿馬鹿しいからもう考えるの止めろって、言ったんだよ。あいつは後悔していない。これが最善の策だったって、言い切ったって。だったら、玲に出来る事は一つしかないって。あいつの気持ちに応えて、素直に喜べって。・・・だからね、止めたんだ。」


微笑む玲は・・・綺麗だった。


「自分責めるのも、千尋責めるのも。類の言う通り、素直に喜ぼうって。そしたらね、凄い楽になったの。色んな物から解放されて、気持ちが楽になった。そして、千尋にまた感謝した。ーー千尋、ありがとう。どうしても、伝えたかった言葉だよ。」


泣くかと思った。寸で止めたけど。泣くのは何だか、違うと思ったから。だから代わりに、にっこりと微笑んでみせた。

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