涙のあと 上 修正中

第6章

あのまま、流されるように抱かれて、意識を飛ばした私は、電話の着信音で目を覚ました。



あのメロディーは、私のだ。なのに。



「はい。」



不機嫌な声で、電話に出る響さん。私は、目を開け黄色いスマホを耳に当てる響さんを見る。



私のだから。声には出さずに、訴えて見た。思いっきり無視されたけどね。



「あん?」



ドキッとした。私にじゃない事は分かってるのに、超不機嫌オーラを噴出させて電話口で話す響さんに、ビビる。



「・・・・・・人の女にちょっかい掛けてんじゃねぇよ。・・・代わる訳ねぇだろ?・・・ふざけんな。着拒にすんぞ。」



相手は誰?



顔面蒼白になりながら、私は響さんからスマホを奪った。誰かは知らないが、あんまりな口振りだったから可哀想になったんだ。電話の相手が。



「おい。」



不機嫌オーラを私に向ける。



怖いから止めて欲しい。てか、私の電話だから。


「もしもし?」



「千尋ちゃん!良かった電話に出・・・」



話の途中みたいだったけど、タップして電話を切った。


響さんは、そんな私の行動を驚いたように、見てたけど、私からスマホを奪い取ると、さっきの電話番号を着拒にした。



「良く出来ました。」



そう言って頭を撫でてくれた。



当然だ。和解はしたけど、蟠りは私にだってある。あんな想いをさせられたのだ。謝られたからと言って、簡単に笑って許せる程人間出来ていないのだよ。伊織さん。



切れた電話の相手に向かい、心の中で呟いた。



出来るだけ、関わり合いになりたくない相手だ。無理だろうけど。ね。



「てか、何で私の番号知ってたの?」



「調べたんだろ。」



私の疑問をあっさりと解決した響さん。



さらっと言ったけど、それって問題発言だからね。一体私の個人情報は、どうなってんだ。


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