花火 【完】

理玖の恋 /思い出

「ただいま〜」


「あっお姉ちゃんおかえり〜」


ソファに座りながら振り向き笑顔を向けた乃亜




「まだ起きてたの?」




「魁斗と電話してたらつい長くなっちゃって」




へへっと照れくさそうに笑う姿は付き合って

1年経つ今も愛されている証拠だろう




ふと客間の襖の上枠に干されている浴衣が目に入った





白い生地に黄色と紺色の朝顔の柄




私が2年前まで着ていたものだ




「懐かしい....」




「明日花火大会でしょ?お母さんに出してもらったの」




「今年は魁斗君と2人で行くの?」




コクンと頷き微笑む



「一応記念日だし」




「今年もこれ着るの?私の貸そうか?」




「え?お姉ちゃん明日花火見に行かないの?」



「春樹明日は残業だって言ってたしね」



「そうなんだ....でもこの浴衣でいい」




「そう?遠慮しなくていいのよ?」




「魁斗が今年もこの浴衣を着てる姿が見たいって言ってくれてるから」



なんとも幸せそうな乃亜は眩しい位に輝いてみえた



「.... そう」

春樹と付き合っている間私はこんな幸せな顔をした事が

あっただろうか....



「明日魁斗君によろしく言っておいて....あと、」



「?」



キョトンと首を傾げる乃亜に私は口角を上げる



「乃亜は実家暮らしなんだから独占欲で見える所に キスマークは控える様に!ってね」




「!!!!!!!!」




ボッと真っ赤な顔して首元を押さえた




「ふふっお風呂入ってくるわ」





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