花火 【完】

乃亜の恋 /屋台

人混みも花火の時間が近づくにつれて混雑してきた



はぐれないように気をつけながら各自の食べたい物をそれぞれ買って進んでいた



クレープ屋を見つけると近くのたこ焼きを魁斗が買うと言うので皆んなでその先の自動販売機の前で待ち合わせする事にした




クレープ屋が思ったより並び時間が掛かってしまい、人混みにぎゅうぎゅうに押されながらもなんとか待ち合わせ場所に着いたけれど



辺りを見渡しても朱莉達の姿が見えない



場所を間違えたのかと焦ってスマホをバックから取り出そうとした時



「乃亜」



え?と振り返るとすぐ真後ろに魁斗がいた。


「魁斗!良かった〜待ち合わせ場所間違えちゃったのかと思った」



「もうすぐ花火始まるから皆は場所確保に先行った」



「え⁉︎ごめん魁斗!待たせちゃって」



「いいよ、クレープ買えた?」



「うん!チョコチップ増やしてもらった」




見て見て〜とクレープを両手に持ち見せれば



「ははっホントだ凄い甘そう、胸やけしないの?」



「全然余裕です〜体重は余裕じゃないけどへへっ」




「乃亜は太ってもきっと可愛いよ」



「えーぽっちゃりでも?」


可愛い、なんて魁斗から言われてしまえばその言葉に深い意味がなくても心は忙しなくなる

必死で平然を装い言葉を返せば

魁斗は更に私を困惑させた





「うん、きっと美味しそう、食べたくなっちゃう」




「え?....」






「ふっ、行こっか」



「あっ....うん」



なんだろう


魁斗の言葉がすごく甘くて反応に困ってしまう。


食べたくなるって何⁉︎


どっちの意味⁉︎



少し俯き熱くなる頬を手で押さえ歩いてすぐ


「乃亜、」

「えっ...」

グイッと肩を抱き込むように

魁斗の片腕が私を包んだ




トンッと手に触れた魁斗の胸元



魁斗の温もり





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