砂時計 【完】+SS修正中

「あ、仁志さん見てください!」

体を起こしてトトッと歩き、指し示した

「ん?あ、苺真っ赤になってる」

ふわっとした微笑みに私も笑顔を向けてそっと真っ赤な苺を摘んだ


「はい、あーんしてください」

「え、いいよ朱菜が食べな?」

ふるふると首を横に振った


「この苺は仁志さんに食べてもらうつもりで育てたので仁志さんがまず食べてください」


「......それって俺と別れる事を前提に育てていたって事だな?」

「ふふっ、その辺はおいておきましょう、はいあーん」

つん、と唇に苺を付けて促せば私をジト目で睨みながらも渋々と口を開けた


私はクスクスと笑いながら口の中にコロンと入れた


「美味しいですか?」

確認して聞くと私の顎に触れる指

ふわっと近づく伏せ目がちな瞳

唇に触れる仁志さんの唇と違う感触

「んっ.....」


口の中に転がった半分になった甘酸っぱい苺


「幸せのお裾分け」

なんてフッと笑いながら咀嚼する仁志さん

噛んだ瞬間に弾ける果汁



また一つ仁志さんから与えられた幸せ


コクリと飲み込んで仁志さんのシャツをツンと掴む


「ん?、」

「おかわりはないんですか?」



パチクリとさせて、ふわっと優しい笑顔

「ふっ、俺は朱菜が食べたいな」

チュッと軽いキスをして至近距離で見つめる甘くて優しい瞳

互いから放つ苺の香り


「......もう忘れたんですか?」

そっと仁志さんの首に腕を回した

「ん?、」





「私を沢山、愛してください」




重なる仁志さんの唇が弧を描いていく

背中に回された大きな手のひら



私の幸せがここにある





ずっと続く幸せ


ずっとサラサラと流れ続ける




私達の砂時計













Fin











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