ブロンドロンド

金髪


新しい教室、新しいクラス、新しい席、新しい景色。
私は、高校三年生になった。

「ホームルーム始めるぞ〜席につけ〜」
新学期ということだからか、やけにはりきった先生が大きな声で叫びながら、教室に入った。
先ほどまでざわざわと人が入り乱れていた空間から、整列された席に座ることでスッキリした空間へと変化する。
窓際の一番後ろという最高のポジションを獲得した私は、先生の話なんて半分聞き流して新しいクラスの人たちの
人間観察を始める。
高校三年生にもなると、先輩がいなくなってのびのびできる。
そのせいか、髪をばれない程度に染めていたり、可愛いヘアアレンジをしていたり、カーディガンの色を変えてみたり・・・
数ヶ月前と比べて変化している友達をみて、一人で楽しんでいた。
教室中を見渡した。
ふと隣の席の男子を見ると、私は目を疑った。

・・・き金髪!!・・・

根元から、しっかりと染められている。
金髪は、少しでも伸びれば黒い部分が目立つのでおそらく1週間以内に染めたのであろう・・・
学校が始まるというのに一体何を考えているのだろうか・・・
私は、金髪の男は嫌いだ。チャラついていて、タバコ臭くて、酒のみでバカだ。
でも、彼は周りのすべてを敵視するような鋭い目つきをしているが、顔が整っているし、背も高い。
なにかスポーツをやっていたかのように、ほどよくついた筋肉が服の上からも分かった。
髪は金髪だか、ワックスで綺麗にセットされていて、耳にはピアスをつけている。
歩いていれば、モデルのスカウトでもされそうな容姿だった。

先生の話が終了すると、案の定先生は一目散に「高槻!職員室に来い!」と言って彼の腕を引っ張った。

高槻くんって言うんだ・・・初日から目立つな・・・
彼が、怒られる理由は誰だってわかる。
普通科の公立高校であり、私立に比べれば校則はゆるいものの髪を染めたりパーマをかけたりするのは禁止。
まあ、本当にこげ茶くらいならば、地毛ですとか、太陽で焼けましたとか言い張れるけれど、言い訳ができないほどの金髪。果たして彼はその後どうなったのだろうか・・・


「高槻くん、なんで、あんな金髪にしたんだろうね・・・」
「派手すぎでしょ・・・」
「前の方がかっこよかったのに・・・」

彼がいなくなった教室では、ひそひそと噂話が繰り返された。


「新学期早々、高槻くん目立ってたね・・・」
私に話しかけてきたのは、友達の美那(みな)
高校に入学して同じクラスになってから、仲がいい。
背は、私よりも低く小柄で細い、黒髪のボブヘアーでかわいらしい。男子からもそれなりに人気があり彼氏は絶えない。
恋愛体質で、すこしぶりっ子で鼻に付くところもあるが、そういう子は嫌いじゃない。

「高槻くんって何者なの?」

そう返した、私に美那はカラコンで偽装された大きな目をさらに大きく開けた。

「え?知らないの?バスケ部で一番バスケうまい人でしょ。ひまり、バスケやってたんじゃなかったの〜。運動神経いいし、しかも、お父さんは社長で金持ちだし、勉強できるし〜。それで超イケメン・・・女子と話してるところはあまり見たことないけど・・・」

まるで、知らないと時代に乗り遅れているかのような言い方をされてすこしムカついたが、自分がいかに男子に興味がなかったかを再確認した。しかも、バスケ部なんて余計に目を背けるようにしていた。


私は、バスケが好きだったから・・・


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