ブロンドロンド

本当に欲しかった幸せ

ピンポーン

時刻は、夜8時だった。日勤の仕事を終え夕飯を作っている時に、玄関のチャイムがなる。
今日は、大垣は出張で会う予定を入れてないし、彼は絶対にアポなしでは会わない。
届く予定の荷物もないと、恐る恐るドアスコープを除くと、大翔の姿があった。
ひまりが、ドアを開けると、
「ひまり・・・急にごめん・・・・」
「どうしたの?とりあえず中に入りなよ。」

大翔は、仕事を終えたであろうスーツ姿で、旅行鞄を持っていた。
鞄を床に置くと、大翔はすぐにひまりを抱きしめた。

「ひまり・・・俺、芽里と別れた。あと、芽里のお腹の中にいた子は俺の子供じゃなかった。これでやっとひまりの側にいられる。」

ひまりも、大翔を抱きしめ返して、キスをする。

「ずっとこうしたかった・・・・」


大翔は、ひまりを抱きながら涙を流した。
ひまりも、涙が止まらなかった。

大翔は、何度もキスをしながら、ひまりに覆い被さり服を脱がしていく、二人の間に会話なんてなかった。

そこで、鍋が吹きこぼれる音がする。ひまりは、我に帰り立ち上がる。
「ごめん、大翔・・・」

「俺こそ、突然来ちゃってごめん・・・夕飯作ってたんだね。」

「ううん。来てくれただけでうれしい・・・大翔は夕飯食べたの?」

「まだだよ。俺の分作ってくれるの?」

「いいよ。」

「って、俺以外の男にもこうしてたんだもんな・・・・」

「自分だって・・・・まあ、いいじゃん。お風呂入ってきたら?」

「やだ、なんか今、一瞬も離れたくない・・・・」

そう言ってキスをする。


大翔が、ひまりにベタベタしている間に、ひまりは効率よく何品も料理を作っていく。
時々「邪魔なんだけど・・・」とひまりに言われながら。

ひまりは、できたてのおかずを、ふーふーしながら冷まして、大翔の口に入れた。

「え・・・うま!!!」
「子供みたい。」
ひまりは、笑った。

机の上に並んだ料理を見て、大翔は感動していた。

食べ始めて、涙を流した。

「嫌いなものはむりなくていいよ・・・」

「違う、うますぎて!!!!俺の母さんは、手が込んだ時間かかる料理ばっかりで品数少ないし、洋食ばっかだし、デパ地下の惣菜がよく並んでたし、芽里は、料理が下手すぎて、一緒に暮らしてた時は、ほとんど外食してたから・・・これから、毎日食べたい!!!」

「え???」

「ひまり、俺と一緒に暮らそう・・・」

「そんな・・・急に言われても・・・」

「そうだよね。びっくりしたよね・・・そのプロポーズしてきたやつのこともあるもんね。答えはすぐじゃなくていいから・・・」

「違う・・・・・信じられなくて・・・・大翔と一緒にいられるの嬉しくて・・・・」

ひまりの目から、涙がこぼれ落ちる。


大翔は、ひまりを優しく抱きしめた。

「もう、ずっと離さないから・・・・・」

「でも、お父さんとお母さんは?」
「心配すんなって、俺が説得するし」

二人は、ご飯を食べ終わって、一緒にお風呂に入り、体を何度も重ねた。
離れていた時間を埋め合うように。
離れていた心をつなぐように。


ひまりの目が覚めると、大翔と目が合い微笑みを交わした。

「起きなきゃ・・・」
ひまりが、たち上がろうとすると、大翔が体を押さえつけて、口づけをする。

「昨日、8時に家出るっていってたじゃん。まだ6時だよ。」

「いろいろ用意があるの!」
「じゃあ、5分だけ俺にちょうだい。」

そうして、また二人は体を重ねる。




0
  • しおりをはさむ
  • 3
  • 22
/ 63ページ
このページを編集する