ライトスパイス【完】

The Last Chapter.





平凡極まりない日暮れ時。

世界が動いていることなんて忘れそうになるほど緩やかな時の流れは、不意に音を立てて壊れたりする。


背中にのし掛かる重さに小さく舌打ちを飛ばせば、くすりと笑み孕んだ吐息が耳許で零れる。



「邪魔」

「俺にも構って?」

「鬱陶しいから離れてよ」

「俺と課題どっちが大事なわけ?」

「課題」



至極くだらない2択を迫ってくる智也に間髪入れずに否定を突きつけてやれば、背後からお腹の辺りに回された腕の力が強まる。

智也の部屋から自室へと戻った私が期末課題に追われる中、何故こんなふざけた状態に陥らなければならないのか。



「私の言ってる意味わかる?」

「千歳が構ってくれるなら離れる」

「課題終わるまで待ってて」

「それさっきも聞いた」



背の低いテーブルにPCを置いて作業する私の後ろから抱き付いてくる変態の主張を聞き入れる気はないが、正直まるで集中出来ないので仕方なく一旦中断。






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