ライトスパイス【完】

Chapter.3





けたたましく鳴り響いたアラームが私を睡眠の底から引き摺り上げる。夢から醒めたあとは、なんだかいつも少しだけ憂鬱で、頭が重い。

お腹が空いたと体は鈍い音を響かせるけど、低血圧が起き上がるのを邪魔する。




「……うわ、どうしよ、普通に眠い」



完全に徹夜で出掛けるのは辛いと30分の惰眠を貪った私は、ぱちりぱちりと瞬きを数回繰り返してから怠慢な脳を巡らせる。


用意しなきゃ、でも眠い。

そんな葛藤にどうにか打ち勝った私はとりあえずベッドの中から抜け出し浴室へと向かう。そのまま熱めのシャワーを浴びれば少しは眠気も飛んだ。



けど。

「……化粧、しなきゃキツイか?」


洗面所の鏡の前で自分自身と対峙しながら、私は目を閉じ静かに思案する。



面倒だけど、一応身嗜みとして?

でも智也相手に身嗜み整えても……、待った。

あの顔の横にスッピンで並ぶのは無謀じゃないか?





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