寵愛の姫 Ⅰ【完】

作者

絶望と悲しみ。
その先の真実の愛。
惹かれていた人との離別の後に待っていたのは、運命の相手との出会いだった。




何時からだろう。


“私達”にこんなにも差が出来てしまったのは。





何時からだろう。


あなたが私の“物”に執着し、欲するようになったのは。





始まりは一緒だったはずなのに。


今はこんなにも遠い。




誰よりも近い存在で、尊い片割れだったのに。



一体、どこで間違えた?




私の持ち物は、今は全てが“あの子”の手の中。




物や友達。



親の愛情も。



そして、私の名前さえも。




私の手の中から、何もかもがぼろぼろと零れ落ちていく。




それならば一層、もう何も望まない。



そう、思っていた。





ーーーー思っていたのに……。





作品に関する中傷はお止め下さい。