俺は今までの生活とは違う生活を手に入れてしまった。

作者✟らみぃ✟

男子高校二年生の七五三万沙留(しめ まさる)の身に“ある事件”が起こる。 そんな中“奇跡”と呼べる出来事が起こる。果たして彼に何が起こったのか……!

20XX年4月1日

俺「七五三万沙留」という一人の男が汗だくになりながら身支度をする。

「進学初日から遅刻はヤバイって!!」

俺は食パンを口にくわえ、家の玄関を飛び出した。

靴はきちんと履けていない。それ程までにも焦っていた。

「あ、財布…」

俺はチャリを漕ぎ出そうとした瞬間財布が無いことに気がついた。だが、時間もかなり迫っていたので俺は財布を諦め高校へと向かった。


俺は高校に無事に着き急いで自分の新たな教室へと向かった。

教室には見慣れた光景が流れていた。

ガヤガヤとしたとてもうるさい教室。

そんな教室に見慣れた顔もあった。

高校一年の時同じクラスでよく話したりした仲間が。

「お前初日から遅刻ギリとかすげぇな!」

何やら笑いながら感心してくれているこいつは“如月蓮(きさらぎ れん)”

「まぁ、良いじゃん。蓮、お前も去年の修学旅行で遅刻しかけておいてかれそうになった事もあったじゃん。」

と、俺をフォローしてくれているコイツは“烏間爽(からすま そう)”

「うるせぇ!アレは親がトラブったせいで…」

と、蓮と爽が言い合いをしている最中に横から口が入った。

「なに?また言い合いしてるの?もう初日から二人共…」

仲の良いグループの唯一の女子、“一ノ瀬万里”(いちのせ ばんり)

「いやぁ、言い合いなんかじゃないよ」

と、爽が言う。

…っとここでチャイムが鳴り俺たちは各々席に着き朝礼へと入った。


学校も終わり、『いつものメンバー』で久々遊びに行くという話になった。

「なにする?」

と、万里が言う。

すると、意外にもいつも手を挙げて発言する蓮が考え込んで黙っている。

暫く沈黙の時間が続いてしまい、俺は何故か(「この空気はヤバイどうにかせねば」)と言う焦燥感に駆られ、俺はなにも考えずに咄嗟に手を挙げてしまった。

いつもはどうぞどうぞな俺が急に手を挙げた為、三人共目を丸くしてこちらを見ている。

そこで俺は何故か「俺が苦手な所」を提案してしまう。

「ぷ、プリ、クラ…とか、は?」

俺は今日最大のミスをしてしまった。

もちろん、みんなの答えは

「「「賛成!!」」」

…まぁ、そんなんで俺達は近場のゲームセンターへ向かった。


ゲームセンターに着いたは良いものの平日なのに関わらず人口密度が高い。

その大半は学生である。

「うわぁ、意外と人多いな…」

爽がため息混じりに言う。

「でもまぁ良くね?賑わってて」

親指を立てながら蓮が言う。

蓮と万里はかなりノリノリなようで

「ここからはプリクラに詳しい私の出番ね。どの台が一番人気か教えてあげるわ!付いてこーい!」

俺と爽はそんな二人をアハハと見ていた。

この人口密度の高さでよく二人共テンション高く居られるな……

俺は半ば感心の声をあげていた。

と、一番人気の台へ連れて行かれた俺達。

早速、お金を入れようとするが俺は目を疑ってしまった。

え、一回400円!?

高くないか??

でも、まぁ俺は今日財布を家に忘れている為、蓮に100円借りてそれぞれ100円出してプリクラを無事(?)撮り終えた。


俺達は遊びに遊び気づけばもう19:00だった。

俺達は別れの挨拶を交わし解散した。

今日は最高な日で終わったよ。

…その“ハズ”だった。

帰宅途中に“あんな事”が無ければな…


俺は解散した後、重要な事を思い出した。

アニメの録画を忘れていたのである。

「クソ、こうなれば生で見るしかない」

そのアニメは19:30から始まるのでギリ間に合うかくらいだった。

俺は物凄いスピードでチャリを漕ぎ家を目指した。

「(あの角を曲がればもう家だ)」

俺は物凄いスピードで角を曲がった。

だが…

---パンッ!!!!

物凄く大きな破裂音が鳴り響いた。

「…え?」

俺はビビるよりも先に自分の大勢が崩れていくのを感じた。

なんとチャリのタイヤがパンクしたのだ。

「いっったぁ……」

俺が立ち上がろうとした瞬間足に猛烈な痛みが襲った。

「痛っ!足首捻ったし」

骨が折れたのではないかと思うくらいの激痛だった。

何とかして立ち上がろうとした瞬間……


---クラクションの音が鳴り響いた。


目の前に大型トラックが現れたのだ。

「……え???」


あれから俺はどうなったんだろう。

あの状況じゃ俺は助からないだろう。

きっと、死んだ。そう思っていた。


長い間眠っていたような気がする。

次、目覚めたのは……


「…俺の…部屋……?」


俺は状況を整理出来なかった。

できるはずが無い。

「夢…か?」

そうとしか言えなかった。

だが、夢にしては「アノ出来事」がとても鮮明に覚えている。


そう、そして更に奇妙な声が聞こえる……

「㍋…サメタ…ミ、ネ……」



そう、この出来事以来、俺は、七五三万沙留は普通の生活、普通の男子高校生ではなくなった。