最後の償い―前編【完】

最後の償い /―前編―



―――――
―――…


いまさらこんな昔話を、話して。
私の覚悟は、決意は、所詮そんなものだったのかもしれない。


「…それで?」


それが、情けないからなのか。

それとも、一生誰にも話さいないつもりでいたからなのか。

最後に。きっと最初で最後に…自分の気持ちに、心に、素直になることができて。嬉しかったからなのか。

ハチヤ先生の、私の話の先をうながす優しい問いかけに。言葉よりも先に、涙が洪水のように溢れてきて、止まらなかった。

“あの日”から、何重にも頑丈に閉じ込めていた想いが、濁流のごとく溢れ出してきて。今までは、それを“責任”と“理性”という堤防でとどめていたのに。それが、もうこんなに簡単に崩壊してしまえば、あとは溢れてしまうまでは本当に一瞬で。

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