ただ、どうしようもないほど君がすき【完】
ただ、どうしようもないほど君がすき /4
◇
私が安藤くんの観察を始めてから数日。
気付いたことがある…。
例えばそう…5月20日。
お昼休み、1年生の女の子たちが安藤くんに調理実習で作ったらしいマフィンを持ってきた。
クラスの男の子が茶化す中。
安藤くんはそれらを受け取らず女の子たちががっかりした顔で帰って行った。
「宏太くんさー何で受け取らなかったんだよっ!もったいないっ」
「あっ?無理。中途半端にもらって勘違いされるの嫌なんだよ…」
「イヤン硬派っ!」
安藤くんと仲の良い鈴村くんが安藤くんに抱き着いた。
「離せコラッ」
安藤くんは鈴村くんの頭をグーで殴った。
『……』
きっと、そういうことは初めてじゃなかったと思うけど。
私はその様子を最初から最後まで初めてちゃんと見た。
優しい人なんだ…と、素直にそう思った…。
総合ランキング13位獲得!(2018年03月)
*この物語はフィクションです。
未成年の飲酒・喫煙、薬物の所持・使用は法律で禁止されています。
また、一部暴力的な表現が出てきますが話の内容上必要なためご了承さい。
*誤字脱字は最後にまとめて修正します。
http://s.maho.jp/homepage/a7361bie543ddcfa/