愛を、もう一度 【前編】



「学校辞めても…会ってくれるでしょ?」

『……』


不安そうに私を見上げる陽子。
初めて陽子を見たとき、大輔に似ていると思った。
陽の光をいっぱいに浴びて育ったような穢れのない笑顔は、無意識に人を寄せ付ける。
大輔もそうだった。だから、陽子と一緒のときは自分らしくいられたのかもしれない。

でも、これから私は今まで以上に陽の光を浴びない生活を過ごすことになる。そんな場所は、陽子には似合わない。
彼女には、私なんかに関わらずこのまま陽の光の下だけを歩いていてほしい。それが私の願いだった。


『もう、これで最後』

「…っなんで?嘘だよね!?ねえっ、かおりっ」


陽子の声が震えていた。彼女の顔を見たら、駄目だと思った。
心残りを残さないために、私は陽子の顔を見ることなく生徒玄関を後にした。


「ねえ、やだよっ、かおりっ…かおりっ!!」


声をかけてくれたこと。
仲良くしてくれたこと。
笑いかけてくれたこと。
“かおり!”と、嬉しそうに呼んでくれたこと。

全部、全部嬉しかったよ。陽子、ありがとう――…





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