繋ぎ飼われたその果てに【完】

2. 夜、風俗街にて

春と言えども3月の夜はまだ肌寒く、吹く風の冷たさは私にほんの少しの憂いを芽吹かせる。

時刻は20時45分。

私は酒に酔った大人たちででごった返す繁華街の道を歩いていた。

どうして文明は発達してしまったんだろう。

夜道は危ない、江戸時代まで通じていた暗黙の了解は爛々と光る街灯のせいで、この街では影すら残っていない。

閉塞感のある暗色が広がる一方で、歩く道は眩しいくらいに照らされている。

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