星降る夜の恋 【完】

第5章 /返却

午後一の授業はとてもじゃないけど出る気にはなれなかった

気持ちに余裕というものが全くない状態だった

今のままでは奈央や雪に気付かれてしまう

普通の顔で教室にいることはできない


私は1人になれる場所を求めてみんながあまり使用しない薄暗いトイレに引きこもった


別に泣くわけじゃない


なぜか涙は出なかった


人は本当に悲しい時は涙も出ないってテレビでやっていたけどその状態なのかなぁ、これって…


悲しく悔しい思いはふつふつと今も込み上げるけど泣けなかった


あの女のせいで泣くことにも耐えられなかった


泣いたらあの女に負けた気がする

これはくだらない女の意地なのかもしれない

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