魔法ノ花Ⅰ【完】

★1年Aクラスの1学期 /友達、帰る場所






「ユーリーーーっ!!どこにいるのー!」




時は二時限目、所は校門。





ひとっこひとり気配を感じないのはなぜ。

答えは簡単。授業中だから。




って今はそうじゃない。



「アイツ、まさかうそついて――――」





ん?



んんん?



何だこのにおいは。




枝豆と、ビールと、串カツと手羽先と焼酎―――――居酒屋かここは。




んなわけないよね。ただの校門だよね。





それ以外の…このにおいは……





「血だ」



思わず口から漏れて出た。





鉄のような嫌なにおい。



どこからする?





においのするほうに、勝手に足が動く。





お願いだから。


これがユーリの血のにおいじゃありませんように。







「……で……と、」



「ま………と…です」



「……せ…ま…」



声が、する。



男が2人と、女は、



「ユーリ!!」




ユーリだ。


あたしの探し人は校門を出て塀を曲がったところにいた。



「せ、セーラちゃん!?」



「ユーリ!あんたどうして、」


「ゆうり様のお友達でしょうか」





「…なんだあんたら」



ユーリの周りを囲む男2人。


あたしの言葉をさえぎった。



そして、身に纏う鉄の塊をところどころ血に染めている。




水国兵だ。





『瀬川様』


『ゆうり様』




ユーリ・サースターの本名は瀬川ゆうりらしい。




「そうだよ。あたしがユーリの友達」



「…ゆうり様、なぜこのような平民と」


ユーリはそんな水国兵の言葉を無視して、あたしの目を見つめてくる。



水の国の貴族特有の、黒に少し青がかかった目で。


綺麗な色だ。




あたしの灰色とは違って。



「セーラちゃん、どうしてですか」


「何がどうしてなの?」


「どうして、来たのですか」





不安そうなその瞳に、あたしはにっこりと笑いかけた。



「ユーリを水の国に連れ戻そうとする水国兵さんたちをとっちめようと思って」




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