魔法ノ花Ⅰ【完】

★1年Aクラスの1学期 /魔法剣DX





「美咲ー!!」



千早がぶんぶん手を振りながら美咲さんに駆け寄る。


「千早!セーラちゃん!どう?何かいいものはあった?」



「うん!見てみて!!」



「……」



うん、千早。


『何かいいもの』はそれであってるけど。



一応言っとくけど、今はそれフィギュアだから。



ほら、美咲さんがなんともいえない複雑な表情をしてるじゃないか。


「千早、それって…フィギュア…?」



どうやら美咲さんは多大な勘違いをされたようだ。



あたしたちは2人がかりでフィギュアをかき集めてきたわけじゃない。断じて違う。



違うんです、美咲さん。



ま、弁解は後に早くユーリの治療をしなければ。

時間がない。



「美咲さん、ビッグライト持ってませんか?」


「持ってないわ。物体を大きくできる魔法ならあるけど、それでいい?」


「…あ、じゃあそれで」



あたしのボケは軽く流された。


いや、美咲さんの反応が正しいです。あなたは間違ってないです。



ちょっとあたしが恥ずかしかったけど。




「でも、それで何をするつもりなの?」





あ、はい。まだ説明していませんでしたね。



ひとつフィギュアを左手に取り、ユーリの傷口の上に乗せる。



「あたしが『戻れ』って言ったらすぐに大きくしてくれます?一秒の間隔もあけないくらいすぐに」



「…分かったわ」




あたしはフィギュアの口をユーリの口に近づけ、そして、言った。




「戻「Bigger!」


は、早い。早いよ美咲さん。


そして発音がよい。




いっぽうアリさんのほうは……







『ガブ』



ちょうど、ユーリの傷口を噛む形で噛んでくれた。



「や、やった!」



「なるほどね!」



「キャー!セーラちゃんすごいっ!!」




本当にアリさんの圧迫はすごいらしく、もうつかんでいるところから血は出てきていない。



「よし、このまま全部ふさいじゃおう」





どうか、全部止まりますように。



どうか、ユーリが、これからもセレステラに通えますように。




‘神様’。お願い、ユーリを守って。



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